【婚活小説】幻のネット婚活ガールrisa

第7話 risaからのメッセージ

risaへの挨拶ボタンを押した後も、
ボクの指の震えは止まらなかった。
まるで運命の赤い糸が揺らしているようだ。
risaが近くにいるから、お互い引き合っているのかも。

そうやってぼくはしばらくそのままrisaの写真を眺めていた。
まだログイン中の表示は消えない。
risaはまだブライダルネット内にいるのだ。
それを考えるとサイトを閉じる気にはなれなかった。
このままrisaをそばに感じていたかった。

risaはもうボクの挨拶に気づいただろうか?
もうボクのプロフィールを見てくれただろうか?

ボクは自分のプロフィールを確認するためrisaのページを離れた。
一度プロフィールを確認しておこう。
誤字脱字などがあったらrisaに笑われてしまう。

と、
自分のマイページに戻ると、
risaさんから返事が着てますとの表示が!

返事!
risaから!
さすがログイン中、
返事が早い!

ボクは大急ぎで返事を開けた。
するとrisaの写真が表示され、
その横にはごめんなさいの文字。

ボクの挨拶に対する返事はそれだけだった。

定形でのお断りだった。
挨拶してきた相手に興味がないときは、
ごめんなさいボタンを押せば簡単にお断りできる。
ブライダルネットはこのへんが機能的で評価が高い。

興味のない相手にいちいちお断りのメッセージとか送らずに済むのだ。

パソコン・モニターに映しだされている画面の意味を理解するまでに、
3分ぐらいは時間がかかっただろうか。
risaはボタンひと押しでお断りをしてきた。
ボクが挨拶してから5分もたたずに。

ボクはお断りされたのだ。

えっ、そうなのか?
断られたのか?
risaはボタンを押し間違えただけではないのか?

ボクはそのままパソコンの前で30分ほど考えていた。
一度risaのプロフィールページを見にいったが、
もうrisaはログアウトしていた。

logo

ブライダルネットには相談員みたいな人がいて、
活動についてメールで助言などをしてくれるサービスがあった。
婚シェルという洒落た名前がついている。
コンシェルジュから来た名前だろう。
ネット婚活では珍しいサービスだ。
会員数が多いのもこのへんが関係しているのだろう。

ボクはその婚シェルにメールを送った。
これまでの経緯を書いて、
risaに連絡を取りたい旨を伝えた。
お断りされた後でこのような希望が通るのかはわからないが、
僕はまだボタンの押し間違いではないかと
心の中では信じていた。

翌日に婚シェルから返事が来た。
断られた相手なので連絡は無理だという回答だった。
確かに常識的に言えばそうだ。
でもボクたちは違うのだ。
運命の相手なのだ。

ボクは再度婚シェルにメールを送った。
ボタンの押し間違いの可能性があるので、
確認して欲しいと。
そうに違いない。
それ以外に考えられないではないか。

翌日仕事から帰ると、
婚シェルから返事が届いていた。

ボタンの押し間違いではないという返答だ。
risaに直接確認してみたようだ。

「risaさんは25歳から29歳の男性を希望しています。
残念ながら40歳の方は恋愛の対象外だと申していました」

僕はその文面を何度も読み返した。
対象外・・・問題外

ブライダルネットのホームページを開き、
risaのプロフィールを確認してみた。
確かに希望する男性についての記述があり、
年齢は25歳~29歳までと書かれていた。


<完>